高松市議会 6月定例会で住谷篤志議員(自由民主党清新会)が高松城天守再現の質問をされました

■住谷篤志議員質問
 次に、高松城天守再現についてお伺いいたします。
高松城天守の再現は、多くの市民の悲願であります。生駒氏による高松城築城と、それに伴う城下町の建設を本市誕生の起源とするならば、天守再現は今の時代にこの町に住む私たちが、何としても成し遂げなければならない使命であると思います。
令和2年、文化庁から調査を尽くしても史資料が十分にそろわない場合に、多角的に検証して再現する行為として復元的整備との考えが示され、天守再現の道が大きく開かれました。文化庁の示す基準によると、復元的整備が各観点からも整備されていることが求められており、令和5年には、史跡高松城跡保存活用計画が文化庁長官の認定を受けたと承知しております。
高松市では、令和5年度から、石垣や礎石などの遺跡の保存にも十分考慮したうえで、利用者が安全に見学できる天守再現の可能性も検証する基礎調査を開始され、昨年度は天守台の土木工学的な調査を実施されたと伺っており、今後は、天守再現に向けてさらに前進することを期待しています。
 また、基礎調査と同時に、天守再現の機運を醸成する取組も重要と存じます。令和5年に高松松平家11代藩主頼聰(よりとし)と正室弥千代姫のひ孫にあたります松平洋史子(よしこ)氏の講演会が開催され、これが縁となって弥千代姫着用の帯が高松城の復元を進める市民の会に寄贈され、先般、玉藻公園にて公開されるとともに、市民の会では、弥千代姫にまつわる動画を配信されています。
さらに、弥千代姫の逸話にとどまらず、水戸徳川家と高松松平家との深い血縁関係や、彦根・会津・高松藩の三家が幕政において重要な役割を担った「常溜大名(じょうだまり)」であったこと、さらには幕末における南紀派・一橋派の対立とその中での高松藩の動向など、本市の歴史には多くの興味深い側面がありますが、そのことを知らない市民も少ないと感じています。こうした本市の歴史的背景が広く市民に共有されることで、天守再現に対する関心や機運の高まり、さらにはシビックプライドの醸成にもつながるものと確信しております。
本市でも、天守再現の機運醸成に繋がる取組をされているかと思いますが、引き続き、様々な取組を進めるべきかと存じます。

そこでお伺いいたします。
高松城天守再現に向けた作業の進捗状況についてお聞かせください。
また、天守再現の機運を醸成するための取組についてお聞かせください。

■大西市長答弁
 次に、高松城天守再現のうち、高松城天守再現に向けた作業の進捗状況についてであります。
本市では、高松城天守再現の意義を明記した「史跡高松城跡保存活用計画」を策定いたしますとともに、令和5年度からは、石垣や礎石などの保存に十分配慮した上で、利用者が安全に見学できる天守再現の可能性を検証する、調査等に着手したところであります。また、昨年度、天守台の安定性を解析したところ、石垣保護のため、天守の加重を、石垣部分を除く天守台の中央のみにかけた場合、通常であれば、天守台は安定しているものの、極稀(ごくまれ)に起こる地震時には、不安定になることが判明をいたしました。このため、今後は、ボーリング調査などを実施した上で、天守台が地震時にも安定するのか再評価を行い、安定性が確保されていると判断できれば、天守を支える基礎構造等を検討していく予定でございます。
次に、天守再現の機運を醸成するための取組についてであります。
本市では、これまで、アプリ「バーチャル高松城」における、天守のCG復元や、桜御門の復元整備を行ってきましたほか、「玉藻城あかり物語」などのイベントを実施し、天守再現の機運醸成に努めてきたところでございます。また、高松青年会議所等による「高松城祭り」が開催され、足場で組み立てられた、五分の一の大きさの天守が設置されるなど、民間による、機運醸成も図られてきたところであります。
 私といたしましては、高松城天守の再現は、本市の活性化を図る上でも、様々な波及効果が期待できる、意義あるものと存じており、今年度、開園70周年記念を迎えます玉藻公園におきまして、ご質問にありましたように、本市の歴史的背景の周知も含めた、機運醸成に努めるなど、天守再現の早期実現に向けた取組を、より一層、進めてまいりたいと存じます。